水の流れを意図的にコントロールする難しさ

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屋根の仕事をしていると

よくこんなご相談を受けます

「雨を下に落とさずに横へ流したいんです」

といった具合に言うのは簡単であり

屋根を葺き替える前提であれば

形だけはできてしまいます

けれど実際はそう単純ではありません

なぜなら水というのは

想像以上に正直でありながら

予測不能な動きをする存在でもあります

屋根の上を流れる水は

勾配の方向に素直に流れていくように見えますが

途中に小さな段差であったり

わずかな隙間やつなぎ目

切れ目があることで水が溜まったり

逆流したり思わぬ方向へと逸れたりします

これが雨漏りの要因となりえます

特に注意しなければならないのが

「つなぎ目」です

屋根材と屋根材の接合部には

切れ目が生まれることが多く

この切れ目をどう処理するかによって

雨水の行方が決まると言っても過言ではありません

だからこそできるだけつなぎ目を作らないこと

切れ目や水が集まる排水のライン上には

可能な限り作らないという設計を重視しますが

やり直しが効かないため

これは本当にうまくいくだろうか？という

疑問を持つことも大切です

過去の事例においても

いい意味でも悪い意味でも失敗があり

設計上の施工に従った結果

水が流れにくかったり

溜まってしまうという例も実際にあります

また雨漏り事例を数多く見ていると

疑問を持つことも多く

ここがなければおそらく

改善の余地にも気づけません

屋根は自然の力に抗う構造物であり

いくら人の手で整えても

自然の前では小さな不備が

雨漏りという形になって現れます

それは室内に水が垂れてくるだけでなく

軒天など屋外の部材にしみ出して

腐らせてしまうこともあります

ちゃんと施工されているように

見えるのになぜ漏れるのか

それは水の流れを妨げたり

水の特性を活かしきれていないかもしれません

結局のところ屋根の水は

「自然の流れに逆らわずシンプルにする」

という設計と施工の積み重ねでもあります

見た目ももちろん大事ですが

水の動きを考えた判断が

雨漏りを防ぐ本質だと私たちは考えています

ここまで考えると簡単にとは

いかないことも多いですが

お気軽にご相談ください。

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