コーキングでは治らない雨漏りの“構造的理由”

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「やもりびと」として活動しています

「溜める」のではなく「流す」

屋根はそういう仕組みでできています

雨漏りのご相談で最も多い誤解のひとつは
「雨が入らないようにしてもらえればいい」
という考え方です

割れや隙間を埋めることで

“その場は” 止まった・治ったように感じますが

この状態は長く保たれません

コーキングでの補修では根本を直すことが難しく

本当の解決とはなりません

状況によって悪化する場合さえあります

これは屋根の“構造の仕組み”を理解すると当然の話なのです

表面上から塗られるコーキングは

「フタ」でしかなく

噛み合わせ内部に使われることが

最も止水性を高めます

そのため屋根のつなぎ目や噛み合わせ内部には

コーキング材やテープなどの処理をした上で

仕上がりとなっています

その上で表面上からの防水となるのが理想であり

通常はこのようになります

しかし屋根の不備や不足などがあっても

仕上げのコーキングにより埋めることができるため

隠されてしまいます

この状態で劣化が進むことで

表面が弱くなることから

隠されていた部分へと水が入りやすくなり

漏れてしまうケースがあるわけです

板金の本来の防水機能は
重ね合わせ、立ち上がり、勾配、雨仕舞い
によって構築されており

屋根は「水を入れない」構造ではなく
水が入らないための方向へ“逃がす”構造 なのです

新しいうちはコーキング材もしっかり

性能を保っていますが

どうしても紫外線や動きにより

弱くなっていきます

コーキングのみに防水を頼ってしまうと

想定以上の天候には耐えることができず

雨漏りが起こりやすくなります

応急修理において最も危険なのは

雨を呼び込んでしまうことです

屋根は本来「もし水が入っても流す」ために
逃げ道が設けられていますが

その逃げ道の出口部分をコーキングで塞ぐと

中に入った水が抜けられなくなり

溜まることで逆流してしまう

事態に陥ります

また少しずつ下地を濡らし

合板腐朽が進んでいたりということもあります

派手に漏れることもありますが

雨漏りは“静かに確実に”進んでいるものもあります

この流れは目視ではわかりにくいため

気づいたときには大工事になるケースも少なくありません

応急的の塗ったコーキングの真価が問われるのは

雪どけになります

この理由は水と雪の圧力が

屋根にかかることにあります

氷の膨張が働くことことから

コーキングだけで対抗するのは時間の問題です

コーキングで治ったかのように見えるのは
あくまで「症状」が一時的に止まっているだけです

水の入口は変わらないまま塞いだ状態

根本の構造は変わっていないため

劣化に耐えきれなくなればまた漏れ始めます

雨漏りを治す答えは漏れにくくすること

そのために行うことは

雨を塞ぐのではなく雨を“正しく流す”構造に戻すこと

コーキング材はもちろん大事で

欠かせないものですが

必要なのは“構造の立て直し”にあります

コーキングは保険と考え

必ず 構造の再設計 が必要です

コーキング自体が良くないのではなく
正しく使う側の問題であり

間違って使えば雨漏りを悪化させる

道具にもなります

応急処置を除きコーキング頼みの修理は

基本的に行いません

改善が必要なことが多くある中で

雨漏りの修理は水の流れを読み

整える技術で治すものだからです

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