これがないと確実に漏れるもの

Tweet

Pocket

「やもりびと」として活動しています

もう年末かと思うことや

一年が早いなと感じることが

普通になってきました

ということは月日が経つのも早いもので

「ついこないだ」みたいなことが

もうすでに数年前というのも少なくありません

こうなると住まいにおいても

以前に塗装をしたのはいつだったか？

思い出すともうそろそろメンテナンス時期だった

こうしたことはよくあります

特に問題はなく過ごせていることもあり

それほど重要性を感じない…

これは十分メンテナンスが

なされていることを意味します

このような状況であっても

注意してほしい部分があります

それは屋根と壁の取り合いです

ここは雨漏りが起こりやすく

施工者としても気をつける部分ではあるものの

それでも漏れるのはなぜなのか

これには考えの甘さや

配慮されていなかった年代の施工などが挙げられます

今の新築ではこうしたことは

起こらないように「水返し」が施工されていますが

リフォームにおいては

ここが不足なこともあり

軽視すると雨漏りは必ず起きます

屋根と壁が交わる部分であり
専門的には「取り合い」と呼ばれるこの場所は
雨漏り発生が非常に多いポイントです

特にリフォームで元の外壁の上に重ねて貼る

工事が行われている場合には

以前の傷みが隠れていたり

見た目以上に傷んでいて

その先にあるのが雨漏りであり

完成後は隠れてしまうため軽視されがちです

しかし結論から言えば
屋根と壁の取り合いには

「水返し」が不可欠です

もしもこれが無ければ

どれだけ材料が良くても雨漏りは起こります

とここで水返しとは何か？についてですが

水返しとは簡単に言えば

水が逆方向へ進まないように“返す仕組み”

のことになります

雨水は本来上から下へ

外へ外へと流れていきます
しかし現実の雨は風で吹き上げたり

跳ね返りや毛細管現象で吸い上がる

といった想定外の動きもあります

水返しはこうした「想定外の水の動き」を
物理的に遮断するための構造です

屋根と壁の取り合いは

異素材同士の材料が使われる部分であり

流水を受ける部位でもあり

納まりが複雑になることもあります

これは水にとってみれば

迷いやすい場所と言えるでしょう

もしここに水返しが無い

もしくは不十分だと

• 壁を伝って水が入り込む

• 屋根材の裏へ水が回る

• シーリング頼みの防水になる

といった状態になっています

こうなればシーリングだけでは

守ることはできません

よくある誤解としては隙間を

コーキングしておくことで止めるというもの

もし水返しが無い状態で
シーリングだけに頼れば

確実に気づいたときには被害拡大

という結果になりやすくなります

水返しはシーリングに頼らなくても

水を止めるための方法と言えます

屋根と壁の取り合いは、
「なんとなく納まっていればいい」
そんな場所ではありません

まず水は想定外の動きをすることを前提に

シーリングは必ず劣化することを

忘れてはなりません

大抵の雨漏りは派手な破損からではなく
こうした地味な納まりの差から始まります

今後に屋根工事や修理を検討する際は
「水返しがどうなっているか」を

しっかりと確認してみてください

これにより本当に雨に強い屋根かどうかが試されます

Tweet

Pocket