縦張り外壁の注意点

Tweet

Pocket

「やもりびと」として活動しています

外壁を縦方向に張る「縦張り」は

シャープな縦のラインが強調され

すっきりとした印象の外観になるため

よく使われる仕上げ方法です

特にモダンな住宅であったり

店舗でもよく採用されています

しかし見た目の美しさの一方で

雨仕舞い（あまじまい）の工夫を怠ると

雨漏りや結露の原因になるリスク があります

今回はその中でも「通気」と「排水」に

注目して解説します

縦張り外壁の基本と特徴として

外壁材を縦方向に張る工法では

表面上は雨水が上から下へ

スムーズに流れるというメリットがあります

一方で内側は横方向に下地材が取り付けられていますので

もしも雨水が侵入すると

水が排出されにくい構造

となってしまうのが弱点です

外壁の裏側には「通気層」と呼ばれる

空間が確保されるのが一般的です

ここを空気が流れることで

• 結露を防ぐ

• 湿気を排出する

• 夏場の熱を逃がす

といった効果が期待できます

しかし縦張り外壁の場合には先ほども触れましたが

通気層を確保するための「胴縁（どうぶち）」を

横方向に施工することになります

ここで注意が必要です

入り込んだ雨水がそのまま胴縁の上に溜まりやすく

溜まった水が釘穴やビス穴から内部に侵入し

雨漏りや下地材の腐朽 につながります

特に強風雨の際に仕上げコーキングが劣化していれば

雨水の通り道が複雑になり

開口部分である窓から漏れやすくなります

そのため「通気を取ること」と

「水を逃がすこと」の両立が縦張り外壁では欠かせないのです

実際に起きやすいトラブルの一例ですが

横方向の幕板や見切り材からの水の侵入があります

 横に走る部材が水を受け止めてしまい

排水できず雨漏りを誘発します

こうしたことを防ぐための施工ポイントは

水返し・水切り板金を活用する
幕板や入隅部分に水返しを設け外へ逃がす仕組みを徹底する

透湿防水シートの重ね順と処理
　上下のシートが逆勾配にならないよう施工精度を守る

雪国では特にシミュレーションを重視
　雪解け水や吹き付ける横殴りの雨を想定して

排水ルートを確保する

縦張り外壁はデザイン性が高いですが

排水を考慮しない施工は雨漏りの原因になりやすい のが現実です

美観を長く維持しつつ安心して暮らすためには

設計段階から「水がどこへ流れるのか」を組み込んでおく必要があります

縦張り外壁でも安心できる修理や仕上げも行っています

外壁からの雨漏りもお気軽にご相談ください

Tweet

Pocket